半顔ロッカーズ

うちのブログでいちばん人気のないネタはおそらく「半顔コレクション」じゃないかと思うんだけど、しかし、エアコレクターという在り方を考えるうえでは、「半分の顔を左右に配したデザイン」という“概念”のコレクションは、非常に重要な意味を持つ。コレクションという趣味が「物を集める」わかりやすさから出発しているとして、それを突き詰めていくと「情報を集める」ことに興味が集約されていき、やがて物質の意味はどんどん薄れ、最終的に「何も集めない」エアコレクションの境地にたどり着く。半顔コレクションは、まさに物質から情報へ移行しつつある段階の、象徴的なコレクションであると言えるのだ。
と、思いつきでテキトーなことを言ったところで、今日の1枚。

ストリート・キングダム―東京ロッカーズと80’sインディーズ・シーン(DVD付)

ストリート・キングダム―東京ロッカーズと80’sインディーズ・シーン(DVD付)

このひと月ばかりトイレにこの本を置いて、毎朝うんこするたびにちょっとずつ読んでいたんだな。東京ロッカーズというのは、70年代末から80年代にかけて、つまり日本のパックロックの黎明期を飾ったムーブメントの総称である。一般的には、フリクションリザードS-KEN、ミラーズ、Mr.カイトの5バンドということになっているが、実際にはそれ以外のバンドも含まれる。それらを豊富な写真と各バンドの紹介、当時の証言、ライブのチラシ(フライヤーなんて言葉はまだなかった)、付録のDVD映像で振り返ったのがこの本だ。おれの青春時代とほとんどリンクしているので、毎朝なつかしさのあまり泣きながら(うんこもしながら)読んでいた。
で、最後のほうのページに載っている当時のライブのチラシ・ギャラリーを見ていたら、こんなのがあったというわけだ。

1979年に行なわれたフリクションとミラーズのライブのチラシ。顔はべつにレックとヒゴヒロシというわけではないよ。
http://homepage3.nifty.com/scoobies/01kaokao/kaokao.html