いまから4年前におれは「2001年リアル初版探しの旅」というエントリーを書いた。
過去ログを読むのめんどくさーい! というズボラ者のために要約してさしあげると、
「山田悠介大先生のデビュー作『リアル鬼ごっこ』は、従来の国語作法を超越した奇々怪々な文章で読む者の常識を激しくグラつかせる。だが、現在手に入るのは重版がかかるたびに校正を繰り返して文章のトゲが抜け落ちたものでしかない。やはり初版を読みたいよねー。よし、おれは初版探しの旅に出る!」
というものだった。
- 作者: 山田悠介
- 出版社/メーカー: 文芸社
- 発売日: 2001/11/01
- メディア: 単行本
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そして、その2ヶ月後に、初版探しの続報を書いた。
ふたたびズボラ者のために要約してさしあげると、
「いままで持っていたもっとも若い版が「第6刷」だったんだけど、ふらりと入ったブックオフで「第3刷」を発見した! 一気に3つも若返った! でも、まだまだおれの初版探しの旅は終わらない……」
という経過報告である。
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あれから、ずーっと探し続けていた。おれが日課のようにブックオフへ出掛けているのは皆さんご存知のことと思うが、マニタ書房では原則として文芸書を扱っていないので、仕入れのためにブックオフを訪れても、文芸書の105円コーナーを見る必要はない。しかし、それでも欠かさずチェックしていたのは、もちろん『リアル鬼ごっこ』の初版を探すためだ。
結論から先に言おう。
初版はまだ見つけていない。だが、第2刷を発見した!
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ざっと流し読みをしてみたところ、第2刷から第3刷でも、あの独特の文章はほとんど修正されていない。すべてを一字一句照らし合わせたわけではないが、あの有名な「二人が向かった先は地元で有名なスーパーに足を踏み入れた。」という文章がそのままなのだから、文章の修正は行なわれていないとみて間違いないだろう。
だが、第2刷と第3刷以降との明確な違いをひとつ発見した。
悠介ちゃん、第2刷までは会話文のあとの行でなぜか1文字頭下げをしてないんだけど、第3刷りからちょいちょい直してる! そのせいで、頭下げによって飛び出た尻の1文字が改行や改ページを増やし、それが積もり積もって第2刷では最終ノンブル「325」だったものが、第3刷では「331」に増えている。その影響で、奥付は左ページから右ページへと変更になっているのだ*1。
今回明らかにされた事実が、いったい誰の何の役に立つのかはわからないが、おれのリアル初版探しの旅は、まだまだ続くのだ……。
*1:偶数の増加だから奥付は左のままでもいいように思うのだが、折りが増えた関係で配置の調整をしたのかもしれない